著者:青山 美智子

1970年生まれ、愛知県出身。

第28回パレットノベル大賞佳作受賞。デビュー作『木曜日にはココアを』が第1回宮崎本大賞を受賞。『お探し物は図書室まで』が2021年本屋大賞2位に選ばれる。他の著書に『猫のお告げは樹の下で』『鎌倉うずまき案内所』『ただいま神様当番』『月曜日の抹茶カフェ』など。

出版社:PHP研究所

あらすじ

メルボルンの若手画家が描いた1枚の「絵画」。

日本へ渡って三十数年、その絵画は「ふたり」の間に奇跡を紡いでいく。

1枚の絵画をめぐる5つの愛の物語。彼らの想いが繋がる時、驚くべき真実が現れる!

仕掛けに満ちた傑作連作短編。

感想

表紙とタイトルのおしゃれさに惹かれたのはもちろん、帯に書かれていた「この本を読み終わったとき、最初に思い浮かんだ人を、どうか大切にしてください」という言葉が心にストンと入ってきて、読みたい欲を掻き立てられた。

連作短編のため、普段あまり小説を読まないという方にも読みやすい1冊。エピローグで、この本の全貌が明らかになる。隠されていた真実は、とても綺麗で、上品で、自然と大切に扱いたくなるようなものだった。読了後、すぐにもう1度冒頭から読み直すくらい素敵だった。

「愛」にはいろいろな形があり、そのどれもがある人にとってはかけがえのないものであることを思い出させてくれるとても温かい作品。